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待機児童対策

(1)待機児童対策

大津町の子育て支援の中での最大の課題は、待機児童問題です。

町はこれまで、既存保育園の定員拡大や、新規保育園の開設、家庭的保育事業の開始などで対応しようとしてきました。それでも待機児童が解消されないのはなぜでしょうか?

 

①子どもの数の増加だけが原因か?

単純に考えれば「子どもの数が予想以上に増えているから」と考えられますが、実はもう一つ重要な要素があります。それは「子どもを保育園に預けたい」家庭の割合の増加です。子育て世代の経済的な問題や、仕事と子育ての両立というニーズの高まり、子育てに自信が持てない親の増加は、従来以上に保育園へのニーズの割合を高めています。

厚生労働省は、「後期次世代育成行動計画」の策定を市町村に指示する際、「行動計画策定指針 四-2-(1)」の中で「潜在的待機児童」として、「子どもを保育園に預けたい」家庭の割合を踏まえるように注文をつけています。

これを単純に言えば、保育所型保育サービスの量的なニーズを

[(子どもの数)×(子どもを保育園に預けたい割合)]

で算定するように指示しています。しかし町はあえてこの二つの変数の実態をあいまいにしています。

「大津町次世代育成後期行動計画」の中で推定された子どもの数に対し、実態はすでに大きく推定を上回り、また、計画の際に把握すべきだった「子どもを保育園に預けたい割合」も示されていません。これでは保育ニーズ量をきちんと算定することはできません。

 

 

②保育コストの問題

では、なぜ保育ニーズ量の把握を過小に見積もってしまうのでしょうか。それは適正に見積もると、町が負担する保育コストが増えてしまうこともひとつの理由ではないかと考えられます。

国は保育園に入っている子ども一人当たりの最低限の保育コストとして「保育単価」を定めています。

この金額から国が定める保育料額を差し引き、その残額の4分の1を町が負担します。しかし、国の定める保育料額に対し、町が定める保育料の設定は低いため、その差額も町が負担することになります。さらに市町村によってはこれにプラスした単価を設定しているところもあります。(大津町はどうでしょう?)

つまり保育園児の数が増えれば増えるほど、町は多くの費用を負担することになるわけです。

<H24年度の保育単価> (基本分のみ、この他加算額あり)
(大津町の規模の町で定員100人の場合)

児童の年齢 保育単価(円/月)
0歳児 144,890円
1,2歳児 83,870円
3歳児 38,080円
4,5歳児 31,980円

 

待機児童の80%以上は0~2歳児だと言われています。これをこの「保育単価」から考えると、なぜ「待機児童」になってしまうのか、ということが何となくわかります。

 

③多様な保育サービス

もう一つは、「保育」は「保育園(だけ)の役割」、という思い込みがまだ残っていることです。保育ニーズの要因は主に、「保護者の就労」と「核家族」です。そしてその「就労」「家族」の形態が現在のように多様化すれば、当然に「保育」サービスへのニーズの形態も多様化してきます。

例えば、車には、トラックやバスから乗用車、軽自動車など用途と乗員数に応じた車種があります。保育を保育園だけの役割と考えるのは、「車といえばバス」と限定するようなものです。もちろんバスが十分にあれば数はまかなえます。しかしバスは大変コストが高くしかも小回りが利かない、と考えるとどうでしょうか。やはり目的に応じて乗用車やバン、ワゴンなど適切に車種を選択するような方法が効果的でしょう。

保育サービスの話に戻すと保育園以外にもさまざまな形で保育サービスを組み合わせ提供することでサービスの量・質・コスト等を最適化することができるということです。

大津町はH24年度から家庭的保育事業を開始しました。保育園がバスなら、家庭的保育室は乗用車のようなものです。0~2歳児・一日8時間程度の保育で、保育料も少しやすく、質的には「家庭的」で小回りの利く(たとえば、簡単に近所にお出かけできる・・など)保育の形態は、それが「ちょうどいい」という保育ニーズに対応することができます。

このように多様な保育サービスを積極的に展開することは待機児童対策に大きな効果をもたらすはずです。

町は、将来的には子どもの数は減っていくと予想し、保育園の新設には消極的です。H24年度の新保育園も、将来子どもの数が減った場合には町立保育園を閉鎖することを前提にしています。(ここにも大きな問題がありますが、次の機会に記述します)

確かに、子どもの数が減っていくということはあるでしょう。しかし、「子どもを保育園に預けたい割合」は今後さらに高まっていくと予想されます。保育ニーズ量は子どもの数の増減とは異なるのです。ここを見誤れば、待機児童問題は解消されることはありません。

つまり、将来の保育需要や潜在的な保育需要に対応するための保育サービスの供給計画が必要なのです。これを町として真剣に検討・実施することが待機児童対策の重要なポイントといえます。